Zabbix Serverの日本語化設定についてまとめます。おそらくZabbixを構築できるスキルがある方は英語表記でも問題ないかと思いますが、公共系案件では「日本語表示必須」を定めているところもあり、このようなケースではニーズのある設定です。
ユーザ単位 日本語設定
「User settings」を押下します
「Language」を「Jananese(ja_JP)」に変更し、「Update」を押下します。
表示が日本語に変わった事を確認します。
日本語フォントの導入
豆腐文字の確認
Linuxサーバには日本語フォントがデフォルトで入っていない事もあります。また、日本語フォントはZabbixインストールと同時に導入されるわけではありません。このような場合は、一部のグラフで文字化けが発生し、いわゆる豆腐文字(□□)が表示される事があります。
まずはデフォルトの状態で豆腐文字が表示されるかどうかを確認しましょう。環境によっては何も設定しなくても正常に表示される事があります。
Zabbixはデフォルト設定で自分自身を監視しています。この監視結果を表すグラフが正常に表示されるかを確認しましょう。「監視データ」「ホスト」「Zabbix Server」「グラフ」の順に押下します。
このような豆腐文字になっている場合は、日本語フォントの導入が必要です。
日本語フォントの導入
インストール済のフォントは/usr/share/fonts/を見る事で確認できます。CentOS 8.X系の場合は、デフォルトでdejavuのみインストールされています。
# ls -l /usr/share/fonts/ 合計 0 drwxr-xr-x 2 root root 314 9月 13 18:48 dejavu
現在(2020年9月)、CentOS 8.X系ではCentOS BaseやEPELなどのリポジトリで日本語フォントは提供されていません。CentOS 7.X系のRPMパッケージをCentOS 8.X系にインストールするのが最も近道かと思われます。
4種類のIPAフォントをインストールします。
dnf install \ http://ftp.riken.jp/Linux/centos/7/os/x86_64/Packages/ipa-gothic-fonts-003.03-5.el7.noarch.rpm \ http://ftp.riken.jp/Linux/centos/7/os/x86_64/Packages/ipa-mincho-fonts-003.03-5.el7.noarch.rpm \ http://ftp.riken.jp/Linux/centos/7/os/x86_64/Packages/ipa-pgothic-fonts-003.03-5.el7.noarch.rpm \ http://ftp.riken.jp/Linux/centos/7/os/x86_64/Packages/ipa-pmincho-fonts-003.03-5.el7.noarch.rpm
インストール済のフォントは/usr/share/fonts/に格納されます。IPAフォントが加わった事を確認します。
# ls -l /usr/share/fonts/ 合計 0 drwxr-xr-x 2 root root 314 9月 13 18:48 dejavu drwxr-xr-x 2 root root 35 9月 20 13:10 ipa-gothic drwxr-xr-x 2 root root 35 9月 20 13:13 ipa-mincho drwxr-xr-x 2 root root 36 9月 20 13:14 ipa-pgothic drwxr-xr-x 2 root root 36 9月 20 13:14 ipa-pmincho # ls -l /usr/share/fonts/ipa-gothic/ 合計 6092 -rw-r--r-- 1 root root 6235344 4月 12 2011 ipag.ttf
どのフォントを仕様するかは、alternativesによって定義されています。デフォルトのフォント設定はDejaVuSans.ttfである事が分かります。
alternativesの実態は/etc/alternatives/配下のシムリンクです。
# alternatives --list libnssckbi.so.x86_64 auto /usr/lib64/pkcs11/p11-kit-trust.so python auto /usr/libexec/no-python ifup auto /usr/libexec/nm-ifup cifs-idmap-plugin auto /usr/lib64/cifs-utils/cifs_idmap_sss.so zabbix-web-font auto /usr/share/fonts/dejavu/DejaVuSans.ttf zabbix-server auto /usr/sbin/zabbix_server_mysql # ls -l /etc/alternatives/ total 0 lrwxrwxrwx. 1 root root 39 Aug 30 22:05 cifs-idmap-plugin -> /usr/lib64/cifs-utils/cifs_idmap_sss.so lrwxrwxrwx. 1 root root 22 Aug 30 22:05 ifdown -> /usr/libexec/nm-ifdown lrwxrwxrwx. 1 root root 20 Aug 30 22:05 ifup -> /usr/libexec/nm-ifup lrwxrwxrwx. 1 root root 34 Aug 30 22:03 libnssckbi.so.x86_64 -> /usr/lib64/pkcs11/p11-kit-trust.so lrwxrwxrwx. 1 root root 22 Aug 30 22:04 python -> /usr/libexec/no-python lrwxrwxrwx. 1 root root 43 Aug 30 22:04 unversioned-python-man -> /usr/share/man/man1/unversioned-python.1.gz lrwxrwxrwx 1 root root 29 Sep 13 18:48 zabbix-server -> /usr/sbin/zabbix_server_mysql lrwxrwxrwx 1 root root 38 Sep 20 14:32 zabbix-web-font -> /usr/share/fonts/dejavu/DejaVuSans.ttf
シムリンクを変更します。
ln -sf /usr/share/fonts/ipa-gothic/ipag.ttf /etc/alternatives/zabbix-web-font
設定変更後、日本語が表示されるようになった事を確認します。