Yamaha RTX ルータのCLIの基本的な操作(モード変更や設定保存など)を説明します。Yamaha RTX ルータの設定ファイル管理は、世代管理機能などの高度な機能を有しています。
モード変更
管理者モードへの変更
初期状態では一般ユーザモードです。この状態ではプロンプトに「>」と表示されています。この状態は設定表示は可能なものの、設定変更できない状態です。
> show ip route 宛先ネットワーク ゲートウェイ インタフェース 種別 付加情報 default 192.168.254.1 LAN2 static 192.168.0.0/24 192.168.0.1 VLAN1 implicit 192.168.254.0/24 192.168.254.254 LAN2 implicit > > > > > dns server 192.168.254.1 エラー: このコマンドは管理レベルでのみ使用できます > >
adminstratorと入力すると管理者モードに変更されます。管理者モードになると、プロンプトが「#」に変わります。
> administrator Password: # # #
管理者モードになると設定変更が可能になります。以下はDNSサーバを指定する設定変更の例です。
# dns server 192.168.254.1 #
一般ユーザモードへの戻り
exitで一般ユーザモードに戻る事ができます
もし、保存してない設定があれば、ここで設定を保存するかどうか問われます。
# exit 新しい設定を保存しますか? (Y/N)Y セーブ中... CONFIG0 終了 >
基本操作
showコマンドの操作例
“show commands”で使用可能なコマンド一覧を見る事ができます。
> show command administrator: 管理ユーザとしてログインします administrator password: 管理パスワードを設定します administrator password encrypted: 管理パスワードを設定します 設定されたパスワードは暗号化して保存されます administrator radius auth: 管理ユーザへの移行時のパスワード認証にRADIUSを使用 するか否かを設定します alarm batch: バッチファイル実行機能に関連するアラームを鳴らすかどう かを設定します alarm entire: 有効になっているアラーム音を鳴らすか、全く鳴らさないか を設定します alarm http revision-up: HTTPリビジョンアップ機能に関連するアラームを鳴らすかど うかを設定します <omitted>
出力される量が多い場合は、grepによるフィルタが可能です。フィルタは単純な文字列だけでなく正規表現の指定も可能です。
> show command | grep ^ip Searching ... ip arp timer: ARPテーブルの寿命を設定します ip filter: IPに対するフィルタを定義します ip filter directed-broadcast: Directed-Broadcast宛のIPパケットをフィルタリング ip filter dynamic: IPに対する動的なフィルタを定義します ip filter dynamic timer: IPに対する動的フィルタのタイムアウト値を設定します ip filter set: IPフィルタセットを定義しま
show configで設定の出力が可能です。
> show config # RTX810 Rev.11.01.21 (Mon Jun 30 15:21:35 2014) # MAC Address : 00:a0:de:b0:7b:53, 00:a0:de:b0:7b:54 # Memory 128Mbytes, 2LAN # main: RTX810 ver=00 serial=S3K135952 MAC-Address=00:a0:de:b0:7b:53 MAC-Addre ss=00:a0:de:b0:7b:54 # Reporting Date: Jun 28 01:04:25 2021 login password * login timer 3600 ip route default gateway 192.168.254.1 ip keepalive 1 icmp-echo 10 5 192.168.254.1 vlan port mapping lan1.1 vlan1 <omitted>
show configもgrepによる絞り込みが可能です。
> show config | grep ^ip Searching ... ip route default gateway 192.168.254.1 ip keepalive 1 icmp-echo 10 5 192.168.254.1 ip vlan1 address 192.168.0.1/24 ip vlan2 address 192.168.2.1/24 ip lan2 address 192.168.254.254/24 >
入力補完やヘルプなど
以下のように”adm”まで入力します。
> adm
その後、タブキーを押下すると、残りの「administrator」が入力補完されます。
> administrator
コマンドの候補やヘルプは「?」を入力すると表示されます。以下は候補が表示される例です。
# telnetd ? ? host listen service session # telnetd
以下はヘルプが表示される例です。
# telnetd host ? 入力形式: telnetd host any telnetd host none telnetd host 始点 [始点...] 始点 = IPアドレスの範囲またはLAN, BRIDGEインタフェース名 説明: TELNETでアクセスできるホストを設定します デフォルト値: any # telnetd host
コンフィグの保存
コンフィグの保存
Yamaha RTX ルータは”save”コマンドで設定を保存する事ができます。
# save
過去コンフィグの管理
現在保存されている設定一覧は”show config list”によって確認する事ができます。showコマンドの出力の通り、Yamaha RTX ルータは設定の世代管理がなされている事が分かります。
# show config list No. Date Time Size Sects Comment ----- ---------- -------- ------- ------- ------------------------------------ * 0 2014/02/22 17:55:09 226 125/125 0.1 2014/02/22 17:54:37 226 126/126 ----- ---------- -------- ------- ------- ------------------------------------
現在動作中のコンフィグを確認するには”show config”と入力します。
# show config
過去のコンフィグを確認するには”show config”の後にファイル名を入力する事ができます。なお、過去の設定を閲覧するには”Login Password”と”Administrator Password”が必要になります。
# show config 0.1 Input passwords of CONFIG0.1 Login Password: Administrator Password: <omitted>
コンフィグの枝番指定とコメント
“save”コマンドの後に0番から4番までの番号を指定する事で、最大5つまでの設定を管理する事ができます。この番号を省略した場合は、0番に保存されます。番号の後には任意でコメントを記入する事もできます。
# save <num> [ <comment> ]
複数設定およびコメントの使用例は以下の通りです。
# show config list No. Date Time Size Sects Comment ----- ---------- -------- ------- ------- ------------------------------------ * 0 2014/02/22 17:39:01 236 125/125 通常の設定 0.1 2014/02/22 16:01:48 236 126/126 通常の設定 0.2 2014/02/22 15:46:44 218 124/124 通常の設定 3 2014/02/22 15:46:52 218 123/123 DHCP開発中 ----- ---------- -------- ------- ------- ------------------------------------
通常は0番のコンフィグを用いてYamaha RTX ルータが起動しますが、”set-default-config”で起動時のコンフィグを切り替える事ができます。
# set-default-config <num>