Azureのマネージドディスクは「ローカル冗長ストレージ(LRS)」「ゾーン冗長ストレージ(ZRS)」という2つの冗長化が用意されています。今のところ、「ゾーン冗長ストレージ(ZRS)」は一部リージョンでしかサポートされていませんが、3つの可用性ゾーンに複製する冗長化観点で優れたストレージです。
前提
公式ドキュメント
参考になる公式ドキュメントを以下に示します。
事前設定
以下、リソースグループを作成します。今のところ、ゾーン冗長ストレージとサポートするリージョンは限られていますので、リソースグループは米国西部2とします。
az group create --name MyResourceGroup --location westus2
ゾーン冗長ストレージ(ZRS)とは
概要
Azure マネージド ディスクには、以下2つの冗長性オプションが用意されています。
- ローカル冗長ストレージ(LRS)
- ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
それぞれの特徴をまとめると以下の通りです。
比較観点 | ローカル冗長 | ゾーン冗長 |
---|---|---|
冗長化 | 1つの可用性ゾーンの3ヶ所に複製される | 3つの可用性ゾーンに複製される |
書き込み遅延 | 優れている | 劣る |
対応ロケーション | 全ての地域 | 米国西部2などの一部地域 |
以下スクリーンショットのように、ゾーン冗長ストレージ(ZRS)に対応したロケーションを選択した場合は、仮想マシンの作成時に「ゾーン冗長ストレージ」という選択肢が現れます。
制約事項
2022年3月時点の制約事項は以下の通りです。制約事項は時事刻々と変わりますので、最新情報は「ゾーン冗長ストレージを使用するマネージド ディスクをデプロイする」を参照ください
- Premium ソリッド ステート ドライブ (SSD) と Standard SSD でのみ
- 現在、米国西部 2、西ヨーロッパ、北ヨーロッパ、およびフランス中部の各リージョンでのみ
ゾーン冗長ストレージ(ZRS)の使用例
仮想マシン
ゾーン冗長ストレージ(ZRS)を使用するには、az vm createコマンド等の引数storage-skuにZRSを含むパラメタを指定します。操作例は以下の通りです。
az vm create \ --resource-group MyResourceGroup \ --name linux010 \ --image UbuntuLTS \ --admin-username azureuser \ --size Standard_B1s \ --ssh-key-values ~/.ssh/authorized_keys \ --storage-sku StandardSSD_ZRS
ディスク毎に異なる指定をする場合は、以下のように操作します。
az vm create \ --resource-group MyResourceGroup \ --name linux020 \ --image UbuntuLTS \ --admin-username azureuser \ --size Standard_B1s \ --ssh-key-values ~/.ssh/authorized_keys \ --data-disk-sizes-gb 16 32 \ --storage-sku os=StandardSSD_ZRS 0=Premium_ZRS 1=Premium_ZRS
仮想マシンスケールセット
仮想マシンスケールセットの場合も、仮想マシンと同等の操作になります。
az vmss create \ --resource-group MyResourceGroup \ --name MyScaleSet01 \ --image UbuntuLTS \ --vm-sku Standard_B1s \ --admin-username azureuser \ --ssh-key-values ~/.ssh/authorized_keys \ --data-disk-sizes-gb 32 \ --storage-sku os=StandardSSD_ZRS 0=Premium_ZRS