VDS(分散仮想スイッチの基本操作)をまとめます。VSS(分散標準スイッチ)と比べて、VDS(分散仮想スイッチ)は複数ESXiの仮想スイッチを統合管理できるだけでなく、Network IO Controlやポートグループ単位の負荷分散設定など、VSS(分散標準スイッチ)に比べて高度な機能を有します。このページではVDSの基本操作をまとめます。
VDSの操作
VDSの作成
仮想ネットワークのアイコンをクリックした後、データセンタを選んだ状態で右クリックメニューを表示させます。
「Distributed Switch」「新しいDistributed Switch」の順に選びます。
仮想スイッチ名を入力した後、「次へ」を押下します。
仮想スイッチのバージョンを指定します。ESXiのバージョンによって使用可能な仮想スイッチのバージョンも異なるため、新旧ESXiが混在している環境ならば、必ずしも最新バージョンにするのが望ましいとは限らない事に注意が必要です。
この画面でポートグループを1つ作成する事もできますし、後からポートグループを作成する事もできます。どちらを選んでも差し支えございません。設定値入力後、「次へ」を押下します。
「完了」を押下します。
VDSとホストの紐付け
分散仮想スイッチ(VDS)を選択した状態で、右クリックメニューの「ホストの追加と管理」を選びます。
「ホストの追加」を選択した状態で「NEXT」を押下します。
「新規ホスト」を押下します。
追加したいホストにチェックが入った状態で、「OK」を押下します。
ホストが追加されている状態になった事を確認し、「NEXT」を押下します。
分散仮想スイッチ(VDS)と紐付けたいNICを選んだ状態で、「アップリンクの割り当て」を押下します。
割り当てたいアップリンクを選びます。以下スクリーンショットの場合ならば「アップリンク1」です。
「このアップリンク割り当てを残りのホストにも適用します」にチェックを入れると、1台のESXiだけでなく全台のESXiに対してvmnic2とアップリンク1を紐づける操作になります。操作をショートカットしたい時は、このチェックを利用しましょう。
以上の操作が完了したら「OK」を押下します。
vmnic2が割り当てられた事を確認します。
分散仮想スイッチ(VDS)と紐付けたいNICを選んだ状態で、「アップリンクの割り当て」を押下します。
先ほどと同様の操作で、アップリンクとvmnicの紐付け操作を行います。
vmnic3が割り当てられた事を確認します。
この画面では、分散仮想スイッチ(VDS)の割当とvmk(VM kernel)の設定変更を同時に行う操作ができます。vmnicの数に余裕がなく、この操作をしないとvmkへの疎通不能になる場合は、この画面での操作が必要です。
今は、そのまま「NEXT」を押下します。この画面の操作方法は「分散仮想スイッチ(VDS)の基本操作02」で後述します。
この画面では、分散仮想スイッチ(VDS)と仮想マシンへのポートグループ割当変更を同時に行う操作ができます。
今は、そのまま「NEXT」を押下します。この画面の操作方法は後述します。
「FINISH」を押下します。
ポートグループの作成
分散仮想スイッチ(VDS)を選択した状態で、右クリックメニューで「分散ポートグループ」「新規分散ポートグループ」を選びます。
ポートグループ名を入力し、「次へ」を押下します。
VLAN IDなどポートグループのパラメタを入力し、「次へ」を押下します。
「完了」を押下します。
ポートグループの編集
ポートグループを選んだ状態で、「設定の編集」を押下します。
セキュリティのタブでは、「無差別モード」などを編集できます。仮想ルータやNested ESXiを使う場合は十分注意しましょう。
チーミングおよびフェイルオーバーのタブでは、冗長化の設定ができます。標準仮想スイッチ(VSS)ではスイッチ単位で冗長化の設定をしますが、分散仮想スイッチ(VDS)はポートグループ毎に異なる設定が可能です。
ポートグループ毎に異なる冗長化の設定例
前述の通り、VDSはポートグループ毎に異なる冗長化設定をする事ができます。例えば、vlan2はアップリンク1を優先し、native vlanはアップリンク2を優先するような下図のような設定を考えます。
このような構成を実現するには、以下スクリーンショットのようにポートグループ毎に異なる冗長化設定をすれば実現する事ができます。実務でよくあるシナリオは、業務用途トラフィックとvMotion用途のトラフィックを分離する例はよく見られます。