VDS(分散仮想スイッチの基本操作)でLAG(LACP)を作成する方法をまとめます。LACPはIEEE802.3adで定められた標準プロトコルによる冗長化手法で、動作させるにはVSS(標準仮想スイッチ)ではなくVDS(分散仮想スイッチ)が必要です。このページではVDSを使用したLACPの設定方法をまとめます。
「Physical Network Design Decisions」によると、「No EtherChannel (LAG/vPC) configuration for ESXi host uplinks」と書かれており、ヴイエムウェアはLAG非推奨との立場であることに注意ください。
おそらくヴイエムウェア社は、CiscoやJuniperの既存ベンダーのシェアを奪いにいくため、彼らのテクノロジーを必要ないデザインパターンを推奨しているものと推測しています。ヴイエムウェア社の資料を見ると、単純なLayer3 Switchを前提とする設定例が多く、いわゆるmLAGが組めるネットワーク機器を前提とした設定例は少数派です。
ESXi側の設定
VDS(分散仮想スイッチ)の作成
VDS(分散仮想スイッチ)を作成します。データセンタの右クリックメニューで「Distribution Switch」「新しいDistribution Switch」を選びます。
VDSのバージョンはやや注意してください。古いESXiでも動作させたいのならば旧バージョンを選択すべきですが、LACP高速モードが使用可能になるのはVDSバージョン7.0.2以上です。
LACPの設定
VDS(分散仮想スイッチ)を選んだ状態で、「設定」「LACP」「新規」の順に押下します。
「アクティブ」または「パッシブ」、「高速」または「低速」、ロードバランシングアルゴリズムなどLACPに関するパラメタを設定できます。
VDSバージョン7.0.0以下の場合は、低速モード限定になります。
ホストの追加
LACPの設定とESXiの物理NICを紐づけます。VDS(分散仮想スイッチ)の右クリックメニューで「ホストの追加と管理」を選びます。
物理NICを選んだ状態で「アップリンクの割り当て」を押下します。
LAGとして設定されたアップリンクを選んだ状態で「OK」を選びます。
同様の操作を繰り返し、複数のアップリンクを割り当てます。
ネットワーク機器側の設定
ネットワーク機器側でLACPの設定をします。
Switch(config)#int range f0/3 - 4 Switch(config-if-range)#channel-group 1 mode ? active Enable LACP unconditionally auto Enable PAgP only if a PAgP device is detected desirable Enable PAgP unconditionally on Enable Etherchannel only passive Enable LACP only if a LACP device is detected Switch(config-if-range)#channel-group 1 mode active Creating a port-channel interface Port-channel 1 Switch(config-if-range)#
LAG(etherchannel)が構成されている事を確認します。
Switch#show etherchannel summary Flags: D - down P - bundled in port-channel I - stand-alone s - suspended H - Hot-standby (LACP only) R - Layer3 S - Layer2 U - in use f - failed to allocate aggregator M - not in use, minimum links not met u - unsuitable for bundling w - waiting to be aggregated d - default port Number of channel-groups in use: 1 Number of aggregators: 1 Group Port-channel Protocol Ports ------+-------------+-----------+----------------------------------------------- 1 Po1(SU) - Fa0/3(P) Fa0/4(P) Switch#
ポートグループの設定
LAGを使用する場合は、専用のポートグループ設定が必要です。ポートグループの新規作成または編集で、ポートグループの設定画面を開きます。
デフォルト設定ではLAGは「未使用のアップリンク」になっていることに注意してください。
LAGが「アクティブアップリンク」として使用されるように設定変更します。